集団自衛権で日本はどうなる? 現代の戦争から考える私たちの未来

志葉玲「パレスチナ自治区ガザに昨年の5月イスラエル軍が攻撃を仕掛けたというような事で私も日本人ジャーナリストとしてはたった3人しか現地に居なかったんですよね。それはみんなフリーランスです。大手メディアの方々は、現場の方々はとにかく取材に出たいんですけども、結局社の命令で撤退せざるを得ないわけですよね。今回の後藤さんがお亡くなりになった時も言われましたけども“自己責任”という事でね、『退避勧告が出てるのにそういう紛争地に居て取材するとは何事か』みたいな、そういうバッシングがあるので、まあそれだけじゃないんですがそういったこともありまして近年ますます大手メディアが戦争の現場に行かないという事が顕著になっています。

イスラエル軍が撃ってきたんですね。ちょうど私が取材していた時に。

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この男の子は顔にひどいやけどを負ってますけど痛み止めがなくて苦しんでいるという状況です。

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お兄ちゃんが10歳で妹が6歳。この兄妹は南部のラファっという所から来たんですけども、お父さんとお母さん、その他親戚一同みんな殺されてしまったと。

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私が取材から帰ってきたのが昨年の8月。日本のテレビにこういったガザ取材に映像とかを本来は提供するはずだったんですよね。所が湯川遥菜さんが誘拐されたというような事が8月後半にばっと出まして、日本メディアはそれ一色になっちゃったわけですね。湯川さんの命がどうでもいいなんていうことは私は言いません。ただですね、ちょっとやっぱり日本のメディアのありかたの問題として思うのは“日本人の命至上主義”っていうのがすごくあるんですよね。今回の人質事件にからんでいいますと、安倍首相がどこで会見を開いたかというと、イスラエルなんですよね。イスラエルの国旗をバックにですね会見を行った。中東の国々ではイスラエルと国交を持ってない国って結構あるみたいで、中東全体に喧嘩を売っているような状況じゃないかと私は見ててクラクラしたんです。

不平等がテロを呼ぶんですよね。不平等っていうのは一つは食べ物がないだとか切る服も住む場所もないというような、そういった物理的なそういうニーズが足りてないという事があります。ただそれだけじゃなくて“正義が足らない”つまり、どこぞの国はどこぞの国を攻撃しても、それは“対テロ戦争だ”とか“平和のためには仕方ない”という事を言ってくるわけなんですけど、逆にどこぞの国がどこぞの国を攻撃したら、それはテロだという風に言われる。

結局中東というのはそういう不平等をずっとくり返されてきた、そういう地域なんですよ。欧米先進国を中心とした国際社会に対して、やはりその非常に根強い不満憤りというのが非常に穏健な人達でもそういう憤りとか不満というのは、やっぱあるんですよね。ほぼ全員が持っていると思っていたほうがいい。

今まで話した話、日本と何が関係あるのという所があるんじゃないでしょうか。問題は、先ほども申しましたように、イスラエルと安倍政権と非常に接近しているわけですね。安倍政権は武器輸出三原則を撤廃してしまいました。つまり日本というのは平和国家ですから武器を売って紛争を助長するというようなことは、それは憲法の理念に反するという事で明確な条文があったわけではないんですけども、国会の総意をされ議決もされましたし、武器は売らないという原則があったわけですね。

F-35戦闘機というのがありますけど、これはアメリカの最新鋭の戦闘機ですよね。日本の企業が、例えばIHIとか三菱電機だとか三菱重工も加わる可能性があると。最大で40%の部品がF-35のために使われるという風に製造元のロッキード・マーチン社が言っているわけなんですが、次回イスラエルがガザへ攻撃した時、その時はメイド・イン・ジャパン40%の戦闘機によってガザに人達が殺されるかもしれないという事ですね。そうならない事を私は切に願っておりますし、そうしないように訴えていきたいと思いますけども黙っていればそうなります。

平和のうちに生存する権利とは何か?これは単に“殺されない権利”ではないんです。それもあるんです。殺されない権利もあるんだけど、それだけじゃない“殺さない権利”も入っているんです。人を殺すということは異常な事ですよね、人が人を殺すような状況って平和じゃない。それが平和のうちに生存する権利なんです。“殺さない権利”があるわけです。だから皆さん是非この権利を訴えてもらいたいわけですよ。皆さん、日本の政府が税金を使ってよその国の戦闘機に日本企業が部品を提供して、その戦闘機がどこかの国の人々を殺して、それでいいと思いますか?私は嫌です。私は嫌だからやっぱり平和のうちに生存する権利。殺されないのは当たり前です。殺されたくないです誰だって。だけど殺したくもないです。その権利を訴えて欲しい。それがこの間10年以上戦場で取材してきた私のささやかな願いです。ご静聴ありがとうございました」


坂本雅弥 弁護士「皆さんこんにちは。去年の7月1日に、集団的自衛権の行使を認める閣議決定がされました。その問題点について少しお話したいと思います。自衛の措置をしての武力。新三要件というのが書かれていますけど。

自衛の措置としての武力行使の新三要件

○ 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによる我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。

○ これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと

○ 必要最小限の実力行使にとどまるべきこと

この3つの要件を満たせば自衛隊が集団的自衛権を認められるという事をいってます。ただ一番目の上のそういう明白な危険があるかどうかっていうのは政府が実質的には自由に判断できると『明白な危険があるんだ』といってしまえばそれでこの要件が該当してしまうというおそれがあります。閣議に中で明らかになっている戦略的課題点。そういう物としては2点あるんですね。

・ 抑止力の向上
・ 地域及び国際社会の平和と安定への貢献

ということです.日本の安全だとかアジア太平洋地域の安全のためには日米安全保障体制を実行する、より一層高めなければいけないと。日米同盟の抑止力を向上させなければいけない、ということ。それによって武力行使を未然に回避して脅威という物が及ばないようにするんだということが書いてあります。ただそn上で戦略的な課題の上で、じゃあ集団的自衛権がどうして必要なのかということですが。

パワーバランスの変化だとか、技術革新、大量破壊兵器、それによって我が国が取り巻くアジア保証環境が根本的に変容しているんだと。そういう変化し続けている状況があるんだという流れです。そしてこの上で今後他の国に対して発生する武力攻撃であったとしてもその目的や規模や対応内容に我が国の存立を脅かす事もありうるんだと集団的自衛権の必要性を説いている。ただこの必要性があるというのはその限りでしか話をしていなくて。それが実際敵にこういう状況が集団的自衛権を認める理由に果たしてなるのかっていうんは、漠然としているということです。結局は条件が、政府が明白な危険なんだと言ってしまえば行使できるような形になってしまう。そういう危険がありあます。

8事例が出ているわけなんですけども実際にはこのような事例っていうのは非現実的な事例であるんではないかということもあるんですが、今言いました条件によりますと、実際に政府が挙げているような8事例。これについては全て集団的自衛権の行使が認められてしまうんだということにつながると思います。

従来の政府解釈では集団的自衛権というのは認められなかったんだと。それを解釈会見では行おうとしている。それ自体絶対許されないことですし、集団的自衛権というのは日本に対する侵害がないのをこちらから仕掛けることがあるので、これは憲法上認められないんだということが考えられます。一度行使されると歯止めがきかないという事になります」

大竹寿幸 弁護士「この間の集団的自衛権をめぐる情勢ということで、経緯ですね。なぜこういった集団的自衛権の閣議決定に至ってしまっているのかを簡単に説明したいと思います。戦後70年日本が平和だったという風に言えるんですけど、本当に90年から急速に日本が平和な国から戦争をする国へ姿を変えようとしているという、そういう事態だっていうことがこれで流れとしてはわかるんじゃないかなと思います。そういった物に反対する者達の声を抑えこむためなのか、94年ですね、初めて自衛隊が派兵に行った3年後小選挙区制が導入されています。従来の色々制定されてきた法律には周辺地域だとか非戦闘地域だとか後方支援に限るだとか、そういった制限が必ず付いていたんですね。結局、アフガニスタンでの後方支援やイラクに対するアメリカを中心としたNATOの加盟国の戦争に日本が加担をした際も結局そういった制限が邪魔になっていたという経緯があります。それで極めつけがイラク戦争の時に航空自衛隊がバグダッドに航空自衛隊の輸送機が武装化した米兵を運んでいたという事が明らかになりました。結局それを名古屋高裁が他国による武力行使として一体化した行動であって日本自らも武力行使を行ったと評価を受けざるを得ない行動であるということができると。さらに憲法9条1項に反しているという判断をしております。結局法律上制限があったとしても、実態としては意味のない制限であったりしますし、更に、それが意味があったとしても場合によっては戦争と他国の武力行使と一体してしまうという問題点があるわけで法律上問題とされてしまうことがあるわけで、そういった物は本当に戦争をする国作りを進める人達にとっては邪魔でしかないですね」

坂本「今日本には憲法9条があるということで集団的自衛権という方法ではなく憲法9条がある日本だからこそできる国際的な関わりというのがあるんではないかと。日本に対するイメージというかですね、そういうイメージで見られているのかっていうのをちょっと聞かせていただきたいのですが」

志葉「中東というのはイラクに限らずなんですけど、先ほど申しましたように結構親日的な人が多いんですよね。所がイラク戦争を支持した時に私はイラク人じゃなくて空港で出会ったパレスチナ人に言われました『なんで日本はイラク戦争を支持するんだ?』と

坂本「武力の行使という形で解決していくっていうことがおかしい。閣議の中では一つ抑止力という軍備を持つことを抑止力と言っていて、抑止力のために軍備を持てが更にそれに対抗するために更に強い軍備を備えなければいけないということで武力が武力を生んでいくという事を考えて、志葉さんの今日の話を聞いていると正にそうなんだろうなという考えがするんですけども。じゃあそういう日本の外交の国際貢献の仕方というか。ではなくてですね、やっぱり平和外交というのが一番、9条を持っているからこそできる」

志葉「日本ができる事っていうのは平和を作っていくことです。平和を作っていくためには人々が争い合っている根本の所の原因に踏み込んで和解を促していく。日本の言葉というのは実はアメリカとかイギリスだとか欧米に比べてアラブの人達の琴線に響く物があるんですよ。日本はヒロシマナガサキというつらい経験をしました。それでもう戦争というのは懲り懲りです。というようなね」

大竹「まだ間に合うのかと。日本は中東にとって平和外交を取り組んでいくという場合の立ち位置っていうんですか。まだ間に合うのか。でも日本の政府はアメリカべったりで、なぜなのかと私なんか思うんですが。それはともかくとしてもアメリカと手を切るしかないのではないのかと、安保条約もやめていくしかないじゃないのかと。そうすることによって世界における日本の信頼、国家として信頼というのが取り戻せるんじゃないのかってちょっと感じました。政府、マスコミ、ジャーナリストを応援することを含めて一人一人が積極的に意見を表明するっていうことが大事なのかなっていうのをすごく感じました」

志葉「それが本当の“積極的平和主義”ですね。安倍さんの言っている“積極的平和主義”ってあれは本当にインチキですから。私、ちょっとこれだけ言わせてください。これはねえ、もう本当にやめてもらいたいです。“積極的平和主義”っていう言葉ね。単に戦争がない状態を“平和”と呼ぶんではなくてですね、構造的暴力、つまり格差や貧困だとかその他諸々の人権抑圧。そういった物をなくす。戦争がないだけじゃなくて、そういった差別や貧困だとか色んな人権問題をなくす。環境破壊もそうですよね。環境破壊なんかもなくす。それが“積極的平和主義”なんですよ」

青龍 美和子 弁護士「みなさんも各自で是非今日のお話を伺ってぜひ広めていただきたいなと思います。今日は本当にありがとうございました」

 

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